アトピー性皮膚炎は、かゆみと発疹があらわれる皮膚の疾患です。人によって症状が異なりますが、多くの場合は首や肘、膝、顔などに発疹が出やすいため、入浴剤を選ぶときにどのようなものを選んだら良いか悩むでしょう。この記事ではアトピー肌の方におすすめの入浴剤をご紹介します。
アトピーが悪化するから湯船には入れない?
肌を清潔にするために入浴は有効!かゆみがひどいときは短時間にしよう
アトピー性皮膚炎の方の肌は皮膚のバリア機能が弱くなってしまい、水分が逃げてしまっているので乾燥しています。そのため、肌は外からの刺激に敏感になってしまいます。
アトピー性皮膚炎の人の場合、健康な肌に比べると刺激に弱くなっているので入浴剤を使用するときには注意が必要です。かゆみなどを感じる場合は使用時間を短縮し、症状が悪化することがあったら必ず使用を注意しましょう。
アトピー肌の人が使う入浴剤の選び方
刺激成分が含まれていないものを選ぶ
前述した通り、アトピー性皮膚炎の人の肌は刺激に敏感になっている状態なので、入浴剤によっては刺激が強すぎるものがあります。そのため、アトピー性皮膚炎の人が選ぶ入浴剤は、刺激成分が含まれているものは避けましょう。
合成成分が含まれているものは避けよう
入浴剤には香料や着色料、合成界面活性剤・鉱物油・酸化防止剤・パラベンなどの合成成分が含まれているものがあります。これらの合成成分は、肌に刺激を与えてしまうため、アトピー性皮膚炎の方は避けなければなりません。
入浴剤を選ぶときは、成分表示をしっかり確認して合成成分が多く入っているものを選ばないように気をつけましょう。
症状がひどいときは発泡系のものを避ける
炭酸の泡が発生する入浴剤は、肩こりや腰痛が改善する効果が期待できるとして人気がありますが、アトピー性皮膚炎の症状が強く出ているときは避けたほうが良いでしょう。
炭酸の泡が肌に刺激を与えてしまう恐れがあるので、症状が落ち着いているときに試してみるのは良いかもしれませんが、違和感を覚えたらすぐに使用を中止してください。
塩素除去成分が含まれているものを選ぶ
水道水に含まれている塩素はアトピーに刺激を与えることがあります。日本の水道水は安全なので、水道水に触れることでアトピーがひどくなることは考えにくいですが、それでも塩素を除去することで肌への刺激をより抑えることができます。
入浴剤のなかには、塩素除去成分を含んでいるものがあるので、それを選んで使用してみてはいかがでしょうか?
保湿成分が含まれているものを選ぶ
アトピー性皮膚炎の方の肌は乾燥していることが多いので、健康な肌に近づけるために肌を保湿することが重要になります。
そこで入浴剤に保湿成分が含まれているものを選び、肌に潤いを与えてあげましょう。肌に潤いを与えてくれるのは、スクワラン・セラミド・ホホバオイル・ヒアルロン酸・植物オイルなどです。入浴剤の成分表を確認してみましょう。
子供から大人まで使える!アトピー肌におすすめの入浴剤15選
【カミツレ研究所】華密恋(カミツレン)
“華密恋”は、農薬を使用せず国内で栽培したカモミールを使った薬用入浴剤です。この入浴剤は、カモミールの花だけでなく茎や葉を、独自の製法で約30日かけて抽出したカミツレエキスを100%使用しています。
ハーブの女王と呼ばれているカモミールは薬草として4,000年以上前から使われてきました。お茶として飲まれるカモミールティーは日本でもおなじみですが、ヨーロッパではスキンケア製品としても浸透しています。
カモミールには優れた保湿力があるので、肌の乾燥を改善し、肌トラブルを改善する効果が期待できます。
甘いリンゴのような香りでリラックスでき、肌へも良い“華密恋”は、400mlの入浴剤に約960本ものカモミールを使っていて、合成香料や合成着色料、防腐剤などの添加物を一切使用していないところがアトピー性皮膚炎の方におすすめですよ。
アトピー性皮膚炎におすすめの入浴剤です。
【丹平製薬】アトピタ 薬用入浴剤
『丹平製薬』の“アトピタ入浴剤”は、刺激になる成分を含んでいない肌に優しい入浴剤です。無香料・無着色・パラベンフリーでアレルギーテスト済みなので、新生児から使用が可能なので、赤ちゃんの沐浴に使えますよ。
アトピー肌のトラブルの原因になる水分や油分不足に注目したこの入浴剤は、ジオウ・シャクヤク・ヨモギなどの天然由来エキスを配合しているので、赤ちゃんにも安心して使うことができます。
肌のバリア機能が落ちてしまっている乾燥肌に、アトピタに含まれている保湿成分で潤いを与えて守ってくれるため、アトピー肌の方へおすすめです。
【持田ヘルスケア株式会社】コラージュDメディパワー保湿入浴剤
『持田ヘルスケア』のこちらの入浴剤は、アトピー性皮膚炎で肌が乾燥しやすい方に独自に開発した“メディパワー処方”を採用しています。
アトピーの乾燥しやすい肌のことを考えた入浴剤で、お風呂の中に入れて浸かるだけで肌をしっとり潤してくれます。保湿クリームを全身に塗るのは大変ですが、この入浴剤を使えば、お風呂の中に浸かるだけで全身のすみずみまで保湿することができますよ。
【花王】キュレル入浴剤
“キュレル”は、医薬部外品で化粧水や化粧品なども展開しています。乾燥肌の人や敏感肌の人に最適なアルコールフリー・無香料・無着色にこだわり、刺激成分を可能な限り使用しない製品作りを行なっています。そのため、アトピー肌の方にも優しい入浴剤となっています。
また、浸透保湿セラミド機能成分とユーカリエキスが配合されているので、肌をしっとりさせてくれます。
【ロート製薬】メンソレータムAD薬用入浴液
『ロート製薬』の天然アミノ酸をたくさん含んだ米発酵エキスを配合した入浴剤です。しかも、成分の90%が米発酵エキスをはじめとした肌を潤す成分なので、アトピーで肌が乾燥している方におすすめの入浴剤です。
使用する場合は、バスタブにキャップの内側の線まで(約60ml)を入れて、よくかき混ぜてから入ります。
【オリヂナル株式会社】薬湯ヒバ
肌を清潔に保ち、湿疹や荒れ症で悩んでいる方におすすめの入浴剤“薬湯ヒバ”は、合成香料や合成着色料を使用していません。
青森県のヒバの自然な香りが心地良く、温泉成分に生薬や甘草エキス、天然ヒバ油、スクワランなどを配合し、保湿成分のホホバオイルも入っているので肌を保湿してくれます。
入浴効果を高めて湿疹や肌荒れ対策に効果が期待できる薬用入浴剤なので、アトピー肌の方にもおすすめです。
【Bestunning 株式会社】ベビタブ
新生児から大人まで安心して使用できる入浴剤“ベビタブ”は、肌のバリア機能に注目して作られました。
この入浴剤は無着色・無香料で防腐剤・界面活性剤・アルコールが無添加なので、肌が弱い方でも安心して使うことができます。
重曹とクエン酸の洗浄力と重炭酸の細かい泡で肌の汚れを落としてくれ、ビタミンCが配合されているので、肌をすべすべにしてくれますよ。
”ベビタブ”に浸かると肌がしっとり保湿されます。肌を保湿することで、かゆみを抑える効果が期待でき、また、塩素除去成分が配合されているので、敏感肌の方におすすめの入浴剤です。
【第一三共ヘルスケア】ミノン薬用入浴剤
11種類の保湿成分を配合した“ミノン薬用入浴剤”は、入浴効果を高めて肌荒れを和らげる薬用処方です。
乾燥肌や敏感肌の方のために作られた低刺激で弱酸性の入浴剤で、肌荒れや湿疹を和らげてくれるため、アトピーの方にもおすすめです。肌に優しい入浴剤なので、赤ちゃんから使えるので家族みなさんで使えますよ。
【ユースキン製薬】プローラ 薬用入浴剤
『ユースキン製薬』の“プローラ薬用入浴剤”は、アミノ酸の働きでお湯の中の残留塩素を除去してくれる入浴剤です。塩素を除去するとお湯が柔らかくなるので、敏感な肌に優しく刺激を取り除いてくれます。
有効成分が温浴効果を高めて血行促進効果が期待でき、肩こりや腰痛改善に役立ちます。天然植物エキス配合なので、肌をしっとり潤してくれ、アトピーの大敵である乾燥を防いでくれます。
また、無香料・無着色で低刺激処方なので、肌が弱い人におすすめできる入浴剤です。
【アトピーラボ】おふろのにがり
“おふろのにがり”は、にがり温泉の液体タイプの入浴剤です。私たちの肌はミネラルバランスが崩れてしまうと乾燥や肌荒れを引き起こしてしまいます。
皮膚を守るために食事から摂ったマグネシウムが皮膚の善玉菌を増やしてくれるのですが、食生活で身体に必要なマグネシウムを摂るのは難しいのです。
“おふろのにがり”は、ナトリウムを87%除去してマグネシウムを4倍濃縮した天然のにがりです。入浴によって効率よく肌にマグネシウムを供給することができるため、乾燥肌の方におすすめです。
【TWO】BARTH
疲労回復や健康維持に効果が期待できる天然の炭酸泉のなかでも、“中性重炭酸泉”は特に効果が高いとして注目されています。
自然の炭酸泉は世界に数ヶ所しかないため、“BARTH”はその中性重炭酸湯を再現しました。そのためにはお湯そのものを最適にするため、無香料・無着色で余計なものを配合しない入浴剤となりました。
お湯を中性にするために塩素を中和しているので、肌の乾燥や髪の毛を痛めずに入浴することができます。
“BARTH”に浸かると、全身を美容液に包まれているような感覚で、肌がしっとりなめらかになるので、乾燥しやすいアトピー肌の方におすすめしたい入浴剤です。
【株式会社日本技術開発センター】ビタセラ・ワン
アトピー性皮膚炎の人の肌は、刺激に弱く敏感です。水道水に含まれる塩素は肌に刺激を与えることがあるので、“ビタセラ・ワン”でお湯の塩素を分解させることをおすすめします。
塩素は肌に刺激を与えてかゆみを与えるだけでなく、髪の毛を痛めてしまうことがわかっています。“ビタセラ・ワン”は、肌や髪を傷めることがないように身体に害がないビタミンCで浴槽の水の塩素を分解し、弱酸性にしてなめらかなお湯にしてくれる入浴剤です。
浴槽に1錠入れることで肌や髪の刺激を防ぎ、塩素のニオイを取り除いてくれますよ。
【勇心酒造株式会社】アトピスマイル
“アトピスマイル”は、米由来である「ライスパワーNo.1-D」という日本で初めて認可を受けた入浴剤用の医学部外品有効成分を配合した入浴剤です。
この有効成分の働きで、アトピー肌に潤いを与えて入浴後も肌のバリア効果が持続します。また、温浴効果により血行が良くなり入浴後も湯冷めしにくく、血行促進効果が続きます。
【ヤングビーナス薬品工業】ひのき湯
天然の湯の花を使った“ひのき湯”は、温泉タイプの入浴剤です。別府市の山間部から吹き出す温泉ガスが青粘土の中を通って表面にできた湯の花を温泉水で溶かし、精製しエキスにして作った自然派入浴剤となっています。
淡い山吹色のお湯の色は、肌のビタミンと呼ばれているビタミンB2を使い、リフレッシュ効果が期待できるひのきの爽やかな香りです。弱アルカリ性成分で、赤ちゃんからお年寄りまで家族みんなで使えますよ。
【クナイプ】カミーレ<カミツレの香り>
『クナイプ』の入浴剤は38~40度のお湯に10~15分程浸かる健康入浴方法で、天然のハーブの香りに包まれてリラックスすることを目的に作られました。
原材料は天然のハーブで、香りは植物の自然のエッセンシャルオイルと岩塩から精製された塩です。可能な限り化合物を使わず作られた入浴剤で、塩の温浴効果で身体を温め血行を良くし肩こりや冷え性を改善してくれます。
天然のカミツレには、抗炎症作用や消炎作用があるので、アトピー肌や敏感肌の方におすすめです。
アトピー肌に良い入浴法
お湯の温度は37~40度で10分程度入浴する
アトピーの方は高温のお風呂に入るのは避けましょう。なぜなら、熱いお湯に入ると入浴後に肌が乾燥してしまうからです。
肌を乾燥させないためには、セラミドという保湿成分が必要なのですが、高い温度のお風呂に入ると、このセラミドが流されてしまいます。適温は37~40度なので、注意しましょう。
また、浸かる時間は長すぎず、10分程度が適しています。これは、長くお湯に浸かると肌の保湿成分であるセラミドが失われてしまうためです。
洗うのは髪の毛から下へ!
身体を洗うときは、上から下へ洗っていきましょう。身体から洗って、最後に髪の毛をあらうと、せっかく洗った身体にシャンプーがかかってしまい、かゆみの原因になってしまいます。上から洗って、しっかり泡を洗い流すのがポイントです。
アトピー肌の人は手作り入浴剤を使ってみては?
アトピー肌の人にはできるだけ刺激を与えないようにしたほうが良いので、手作りで入浴剤もおすすめです?重曹を使えば、刺激が少なく身体をキレイにすることができますよ。
重曹2:クエン酸1を用意して、カモミールローマンなどのアトピー緩和作用がある刺激が少ない精油を3滴ほど入れて混ぜます。混ぜたものを大さじ1杯ずつ小分けにして保存すれば入浴剤の完成です。簡単にできるので、試してみてはいかがでしょうか?
肌の調子を見ながら入浴剤を使用しよう
アトピーの症状には個人差があります。そのため、入浴剤を使用したときにどのような症状が出るかも個人によって異なります。
はじめは小分けの入浴剤を使用し、試しに使ってみて肌の様子を見てみるのをおすすめします。肌に合う入浴剤が見つかったら熱すぎないお風呂で楽しんでくださいね。