洗った髪を乾かすにはドライヤーが欠かせませんが、間違った使い方をしている方が少なくないようです。やり方次第で、仕上がりに差が出たり髪を傷めたりすることがあるので油断できません。正しい使い方についてご紹介します。
ドライヤーを使う前に確認したいポイント2つ
ドライヤーを使う前に、以下の2つのポイントを確認しておくことで、効率良く髪を乾かすことができます。
ドライヤーの風を正しく使い分けよう
ほとんどのドライヤーには、温風と冷風を出す機能が備わっています。髪を乾かすだけであれば、温風があれば事足りますが、どうして冷風を出す機能が備わっているのでしょうか。
まずは、温風と冷風、それぞれの効果について簡単に解説しましょう。
ドライヤーにとって主要な機能と言えるのが、温風機能です。温風機能は、湿った髪をきちんとスピーディーに乾かすために使用します。
ドライヤーの温風の平均温度は100度から120度といわれており、高いもので140度ぐらいになることがあります。
これだけ高い温度の温風を髪に当てるわけですから、使い方によっては髪が乾燥しすぎることが少なくありません。とくに毛先のようにダメージを受けやすい部分では、必要以上に水分が失われる傾向があります。
そんな状態を回避するのに役立つのがドライヤーの冷風機能です。適宜、冷風によって髪の温度を下げることで、温度が高くなりすぎて乾燥しすぎたり、ダメージを受けたりするのを防ぐことができるのです。
冷風には、髪のキューティクルを引き締める効果も期待できます。
キューティクルは、温風を当てた髪が冷める過程で形が徐々に安定していくのが普通です。そのため、温風を使って髪を乾かしたまま放置すると、高温で開いたキューティクルがそのままの状態で固定してしまいます。その結果、髪が大きく広がったり、髪の癖を際立たせたりしてしまうのです。
これを防ぐのに有効なのが冷風です。ドライヤーの温風で髪をしっかりと乾かしたあと、冷風で素早くクールダウンすると、開いたキューティクルを引き締め、整えることができます。
ドライヤー前のタオルドライが大切
ドライヤー前にしっかりタオルドライしておくことも大切です。十分にタオルドライすることで、髪を乾かすのにかかる時間を大幅に短縮することができるからです。
そもそもタオルドライとは、髪に付着した水分をタオルで拭き取って半渇きとすることを指します。タオルドライのおおまかな手順は以下の通りです。
1. はじめに髪を払うように、また絞るようにしてできるだけ水分を除去してください。
2. 次に、頭皮を揉み込むようにしながらタオルに水分を吸わせます。
3. 仕上げに、毛先に付着している水分の拭き取ったら完了です。
タオルドライをするうえで重要なのは、ゴシゴシとタオルで髪をこすったり、髪を強く握ったりしないことです。タオルドライの方法によっては、髪にダメージを与えてしまうことがあります。
タオルドライは、ドライヤーを使用する時間を減らして、ドライヤーの熱から髪を守るために行うものです。タオルドライをすることでかえって髪を傷めてしまうことがないよう、タオルの摩擦が強くならないよう十分に注意してください。
なお、タオルドライをする際、バスタオルなど大判で厚みのあるタオルを使うより、フェイスタオルなど比較的小さいものを複数枚使うのがおすすめです。
よりしっかり水分を除去できるだけでなく、タオルドライにかかる時間を短縮することができます。
ドライヤーは使い方次第で仕上がりに大きな差が!基本をチェック
ドライヤーを正しく使うことができれば、髪を傷みにくくするだけでなく、仕上がりにも大きな違いが出てきます。ドライヤーを使ううえでのポイントについてご紹介します。
ドライヤーを小刻みに振る
ドライヤーで髪を乾かす際、髪に熱を与えすぎてしまわないよう、ドライヤーを小刻みに振るように心がけましょう。そうすることで、ムラなく乾かすことができるだけでなく、熱を分散させて髪のタンパク質の熱変性を防ぐことが可能です。
タンパク質の熱変性とは、髪内部のタンパク質が固まることで水分などが流れ出しやすくなる状態のことで、髪のダメージにつながります。
根元から乾かす
根元から乾かすよう心がけるのもポイントです。まずは乾きにくい根元部分からドライヤーをかけましょう。
もっとも強い温風を使って髪の根元、襟足などをはじめに乾かすと、毛先が収まりやすく、仕上がりが良くなります。近くても髪から10cm程度ドライヤーを離し、風の逃げ道を作って熱がこもらないよう注意してください。
前髪の分け目解消法
8割ほど乾いたら、弱温風に切り替えて前髪を乾燥させます。片方からだけ温風を当ててしまうことが多いですが、ドライヤーをもう一方の手に持ち替えて反対側からも風を当てると、分け目が解消されやすくなります。
風を上から下へ当てる
仕上げは、温風を上から下に向かって当ててください。
髪は乾く瞬間に、水素結合と呼ばれる現象が起こり、形が固定されます。このとき、上から下に向かって弱温風を当てることで、毛流れやシルエットを整えるやすくなるのです。
髪を少し下に引っぱりながら行うと良いでしょう。
最後は冷風を当てる
仕上げに冷風に切り替え、髪全体に当ててください。熱を取り除くことで、余熱による髪のダメージを防ぐだけでなく、開いてしまったキューティクルを整えてツヤを出すことにもつながります。
ヘアセットする際の正しいドライヤーの使い方
ヘアセットする際も、ドライヤーの使い方で仕上がりが大きく違ってきます。ブロー時のドライヤー使用法のポイントについて紹介しましょう。
ブローの方法と注意点
髪をブローする際は、美容師さんがやっているようにブラシを使いながらするのがおすすめです。
8割ほど髪が乾いた時点で、5cm幅くらいの毛束を取って、その内側からブラシを入れ込んでください。そのままの状態で、外側から弱温風でドライヤーを当てながら、ブラシをゆっくりと下ろしていきます。ドライヤーの位置が近くなりすぎないように注意してください。
毛先のあたりまできたら、内巻きするようにイメージしながらブラシを徐々に半回転させると、仕上を良くすることが可能です。ブラシでやや髪を引っ張るようにすると、さらに髪の収まりが良くなり、ツヤも出やすくなりますよ。
寝癖を直す方法は?
忙しい朝に手早く寝癖を直したいときにも、ドライヤーを使って寝癖を直すのがおすすめです。手順は以下の通りです。
うねったり跳ねたりしている髪の根元部分を濡らし、おじぎするように頭を下げて、上から下に向かってドライヤーの温風を当ててください。しばらく続けていると、本来の形に戻ってきます。
よりふんわりと仕上げたい場合は、いったん体を起こし、髪を浮かすようにイメージしながら根元に温風を当てながら乾かすと良いでしょう。
毛先部分に癖がついている場合は、気になる部分を手に取って、濡らしてから内側へとねじりながら温風を当ててください。
ドライヤーを正しく使って美髪を手に入れよう
髪を乾かすのにドライヤーを毎日使っているという方は多いと思いますが、使い方が間違っているケースが少なくありません。ドライヤーを正しく使うことで、髪をダメージから守ることができるだけでなく、仕上がりに大きな差が出ることもあります。
ぜひこれを機械に正しい使い方をおさらいして、美髪を手に入れてください。